読んでいるあいだ、
ずっと呼吸が深かった。
読み終えたあと、
しばらく余韻の中にいたくなった。
漫画『国宝』は、そういう作品です。
極道の息子が、歌舞伎に生きることを選ぶ

主人公・立花喜久雄は、
極道の家に生まれた青年です。
そこから歌舞伎の世界へ飛び込み、
芸に全身全霊を捧げていく。
血筋でも環境でもなく、
「選択」によって芸の道に入った人間が、
何を得て、何を失っていくのか。
その一生を、この物語は
静かに、丁寧に見つめています。
派手さがないのに、目が離せない

大きな事件は起きません。
劇的なセリフもありません。
あるのは、目線と沈黙と、
人と人のあいだに流れる空気だけ。
それなのに、
ページをめくる手が止まらない。
語らないことで、深く語る。
そういう漫画です。
読むたびに、何かが整っていく

忙しい日々の中で、
この漫画を開くと呼吸が変わります。
情報を受け取るのではなく、
空気を吸うような読書。
喜久雄が芸に向き合う姿勢が、
いつのまにか自分の中の何かを
静かに揺さぶってくる。
心を整えたいとき、
何かをリセットしたいとき。
そういうときに開きたい1冊です。
今、4巻まで。はじまりから見届けられる

漫画版『

