「言えない本音」があるって、悪いこと?
本音を隠すのは“弱さ”ではなく“賢さ”でもある
「本音を言えない私はダメなんだ」
そう思ってしまう女性は多いですが、実は“言わない選択”には、その人なりの思慮深さや優しさが隠れています。
人間関係を円滑にしたり、相手を思いやったり、自分を守ったりするために「言わない」という選択をするのは、大人としてのバランス感覚の現れでもあるのです。
感情にラベルを貼らず、そっと置いておく時間
イライラ、悲しい、苦しい、言葉にできない気持ち。
それらを「これはこういう感情」と決めつけずに、ただ感じて、流していく時間を持つことは、とても大切です。
“感情の通り道”をつくることは、結果的に自分の本音と向き合う第一歩になります。
「言いたくない」も、れっきとした本音
「言えないんじゃなくて、言いたくない」
そう感じるときがあるなら、それもまた立派な本音です。
本音とは“外に出すもの”だけではなく、“自分の中でわかっている気持ち”も含まれるのです。
わかってもらいたい=わかってほしい自分がいる
「誰にもわかってもらえない」
その裏側には「わかってほしい自分」がいます。
それに気づいた瞬間、あなたはすでに自分の本音に一歩近づいています。
自分の心の声を、自分が一番わかってあげる。
それが、はじめの一歩です。

自分で自分の本音に近づく3つのステップ
モヤモヤに「名前をつける」感情ワーク
感情がぐるぐるしているとき、あえてその感情に名前をつけてみることが大切です。
「怒り」「寂しさ」「焦り」「期待」「失望」など、どんな言葉でもOK。
名前がつくことで、気持ちは少し輪郭を持ち始めます。
気になる言葉・刺さった言葉をメモする
本やSNSで出会った言葉に「ドキッ」とする瞬間があるなら、それはあなたの本音に触れた証拠かもしれません。
それをメモ帳に残していくと、やがて“自分の大事な感覚”が見えてきます。
書く・描く・つぶやく…“間接的に出す”方法
口に出すのが難しいときは、ノートに書く・イラストにする・小さくつぶやくだけでも充分。
表現することで、自分の気持ちを少し外に出すことができます。
それは本音を「安全に」確認する方法でもあります。
「本音=正直な感情」と捉え直す視点
本音というと「誰かに伝えるべきこと」と捉えがちですが、まずは“自分に対して正直”であることが最初の本音です。
「こう思った」「こう感じた」を否定せずに、そのまま受け止めてみましょう。

他人の言葉にふりまわされない“わたし軸”のつくりかた
「共感しすぎない」練習
誰かの話を聞いて「そうだよね」と言いすぎる癖がある人は、自分の感情を他人の感情で上書きしてしまっていることがあります。
共感しない日があっても、あなたの価値が下がるわけではありません。
「共感する/しない」ではなく、「私はどう感じたか?」を問い直してみましょう。
意見と感情を切り離して考える力
「〇〇って言われて、モヤモヤした」
そのとき、「その人の意見」と「自分の感情」は別のものとして捉えてみましょう。
意見は情報であり、感情は反応です。
切り離して考えるだけで、心の負担は軽くなります。
立場より感情を大事にする視点
「母だから」「上司だから」「友達だから」…そういう“立場”があると、つい感情を抑えてしまいがち。
でも、その役割の前に「わたし」が存在しています。
立場を優先するあまり自分を置き去りにしないように、自分の感情にも耳を傾けましょう。
自分のための“NO”の言い方
「断る=悪いこと」と思っていませんか?
でも、自分を大事にするための“NO”は、あなたの人生を守る意思表示です。
言い方をやわらかくする工夫はあっても、NOを言うこと自体は悪ではありません。

本音を伝えるのが怖いときの自己対話メモ
どう思われるかより「自分がどうありたいか」
本音を言う前に「嫌われるかも」「面倒な人と思われるかも」と不安になるのは自然なこと。
でも、「自分がどう見られるか」ではなく、「自分がどう生きたいか」にフォーカスしてみましょう。
誰かの評価より、自分の納得感が未来をつくります。
“話したあと”に自分をケアする術
本音を言ったあとに「言いすぎたかも…」と不安になることも。
そんなときは、自分を責める代わりに、いたわる言葉をかけてあげる習慣を持ちましょう。
「よく言えたね」「今の私にできるベストだったよ」など、優しいセルフトークを。
相手を傷つけずに、距離を取る伝え方
すべてをストレートに言う必要はありません。
「私はこう感じている」「今は少し距離を取りたい」と、自分の立場を主語にした伝え方なら、相手を責めることなく意思を伝えられます。
書いてから渡す、文字にする勇気
言葉にするのが怖いなら、手紙やメッセージにして渡すという選択肢もあります。
文字にすれば、自分の気持ちを整理でき、相手にも伝わりやすくなります。
沈黙ではなく“自分のペースで伝える”ことが、心の安全を守る手段になります。

本音は「伝える」だけじゃなく「抱きしめる」もの
黙っていても、あなたの中には確かな“気持ち”がある
誰にも言えなくても、あなたの中にある気持ちは確かに存在しています。
その感情に「正しさ」や「理由」は必要ありません。
ただ「感じている」こと自体が、あなたのリアルで、あなたの一部なのです。
言えないことを受け入れてくれる人が、きっといる
今は言えないかもしれない。
でも、「言わなくてもわかろうとしてくれる人」は、きっとどこかにいます。
あなたが誰かの本音を想像できるように、誰かもまた、あなたを理解しようとしてくれているかもしれません。
「わかってほしかったな」で終わってもいい
「あのとき、こう言いたかったな」「わかってほしかったな」
そう思ってしまう過去があっても大丈夫。
その気持ちに寄り添って、そっと自分をなでるような気持ちで振り返る。
それだけで、癒されることもあるのです。
本音は、誰よりも自分が気づいてあげるもの
誰にも伝えられなくても、あなたがあなたの本音に気づいてあげることが、一番の救いです。
誰かに認められなくても、まずは自分がその感情を認める。
それが、ほんとうにやさしい自己理解への第一歩です。


