「ちゃんと」に縛られてきた私へ
『3月のライオン』の桐山零を見ていると、
ときどき胸がきゅっとなります。
あんなに静かな顔をしているのに、
内側ではずっと何かと戦っている。
ちゃんと勝たなきゃ。
ちゃんと役に立たなきゃ。
ちゃんとここにいていい自分でいなきゃ。
(“ちゃんと”って便利ですよね。だいたい自分を縛るときに使います。)

私も、ずっと厳しめの「ちゃんと」に縛られてきました。
ちゃんと強く。
ちゃんと優しく。
ちゃんと大人で。
ちゃんとできる人で。
できなかった日は、減点方式。
でも最近、気づいたんです。
あの厳しい声、敵じゃなかった。
ちゃんとしていれば傷つかない。
ちゃんとしていれば嫌われない。
ちゃんとしていれば置いていかれない。
そうやって、守ろうとしてくれていた。
方法は少しスパルタでしたけど。
(だいぶスパルタでしたけど。)
対話の中で、その「ちゃんと」に
初めて言葉をかけられたとき、
「ありがとう。もう大丈夫かもしれない」
って、少しだけ笑えました。
追い出さなくていい。
閉じ込めなくていい。
いるけど、主導権は渡さない。
零が少しずつ人とつながっていったように、
強さって、鎧を厚くすることじゃない。
戻ってこれる場所を持つこと。
泣いても、弱音を吐いても、
また自分に戻ってこられること。
ちゃんと強くなくても、
ちゃんとあなたです。
(ややこしいですが、本当です。)
今もときどき、
厳しめの「ちゃんと」は顔を出します。
でも前みたいに怖くない。
「あ、また来たな」
くらいの距離。
それだけで、ずいぶん自由です。
強くなろうとしなくていい日もある。
今日は少しだけ、
“ちゃんと”をゆるめてみませんか。
世界は、あなたが一日ゆるんでも、
ちゃんと回ります。
(ちゃんと、って言いましたけどね。)
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