劇的な事件は、ほとんど起きません。
大きな喧嘩も、派手な告白シーンも、そんなにない。
なのに、気づいたら目がうるんでいる。
夢中さ、きみにが沁みる理由を、ずっと考えていました。
「小さなこと」の積み重ねが、感情を揺らす

ちょっとした視線の変化。いつもと違うひとこと。秘密を守ってくれた、あの瞬間。
そういう小さなことが、じわじわ積み上がって、ある瞬間に一気に押し寄せてきます。感情の揺れは、大きな出来事より、小さな積み重ねの方が深いことがあるのかもしれません。
「わかってもらえた」という安心感

エリコは、ずっと「自分の感情を隠してきた」人でした。妄想の中でしか、気持ちを動かせなかった。
それが、大海くんという存在によって、少しずつほどけていきます。「わかってもらえた」という感覚は、フィクションの中でも、ちゃんと胸に届くのですね。
刺さるのは、そこに自分がいるから

エリコに重なる何かが、自分の中にある。言えなかった言葉、隠してきた気持ち、誰かにわかってほしかった、あのこと。
沁みるのは、物語がうまいからだけではなく。あなたの中にも、エリコがいるから。物語を通して、自分自身の声に触れているのかもしれません。
【慈問】
「たいしたことじゃないから」と、自分の小さな心の声を無視していませんか?
その一粒の涙の理由を、ただ優しく見つめられますか。
あなたの内側から届いた、小さなサインに。
物語を鏡にして見えてきた、あなたの本当の気持ち。
一人で抱えるのが重たくなったときは、
そっと隣で並んで歩かせてください。
言葉にすることで、心は少しずつ呼吸しやすくなります。

